森は生きている
- Nose Uryo
- 2019年4月25日
- 読了時間: 2分
「ころがれ ころがれ ゆびわ
春の戸口の階段へ
夏のげんかんへ
秋のおやしきへ
そして、冬のじゅうたんの上を
新年のたき火をめざして!」
(森は生きている 原作サムイル・マルシャーク 監修 西本鶏介 文・宮川やすえ 絵・宝永たかこ)
小学校5年生か、6年生の時だったと思う。
文化祭で劇をすることになっていて、
その時の演目が「森は生きている」だった。
ぼくは、セリフが少なそうで目立たない先生を選んだ。
わがままな女王の教育係だった。
劇の練習を進めていくうちに、
なぜか「先生の歌」というのが発見され、歌も歌うことになった。
体育館で全校生徒を前にソロで歌うことになり、これは大変なことになったと思った。
当日はそんなに声も出なかったけど、なにかよくわからない達成感のようなものはずっと残っていた。
どんな話かはすっかり忘れてしまっていたが、「森は生きている」というタイトルはとても好きで、頭のどこかに引っかかっていた。
ある日、子どもと古本屋に行き、児童書の棚の隙間に
このタイトルが挟まっているのを見つけて色々な感情が湧き出て来た。
この劇を選んでくれた、小学校の先生の感性がとても好きだった。
言葉に力があって、子どもを叱るときにも愛が込められていて、
とても魅力的な人だった。
太陽みたいな人だと思っていた。
数年前から、感謝の気持ちを込めて先生に年賀状を書くようになった。
多分、今の自分の年齢がその時の先生の歳くらいだったと思う。
こうやって、先生の存在そのものが僕の心の中にずっと残っているように、
自分が生きることで、知らず知らずの間に誰かの心の中に種を撒いていることもあるかもしれない。

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